すべての人に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する
6.1 2030年までに、全ての人々の、安全で安価な飲料水の普遍的かつ衡平なアクセスを達成する | |
6.2 2030年までに、全ての人々の、適切かつ平等な下水施設・衛生施設へのアクセスを達成し、野外での排泄をなくす。女性及び女児、並びに脆弱な立場にある人々のニーズに特に注意を払う。 | |
6.3 2030年までに、汚染の減少、投棄の廃絶と有害な化学物・物質の放出の最小化、未処理の排水の割合半減及び再生利用と安全な再利用の世界的規模で大幅に増加させることにより、水質を改善する。 | |
6.4 2030年までに、全セクターにおいて水利用の効率を大幅に改善し、淡水の持続可能な採取及び供給を確保し水不足に対処するとともに、水不足に悩む人々の数を大幅に減少させる。 | |
6.5 2030年までに、国境を越えた適切な協力を含む、あらゆるレベルでの統合水資源管理を実施する。 | |
6.6 2020年までに、山地、森林、湿地、河川、帯水層、湖沼を含む水に関連する生態系の保護・回復を行う。 | |
6.a 2030年までに、集水、海水淡水化、水の効率的利用、排水処理、リサイクル・再利用技術を含む開発途上国における水と衛生分野での活動と計画を対象とした国際協力と能力構築支援を拡大する。 | |
6.b 水と衛生に関わる分野の管理向上における地域コミュニティの参加を支援・強化する。 |
SDGs連鎖の事例「パーム油」
参考資料:https://www.wwf.or.jp/activities/basicinfo/2484.html
熱帯エリアでしか生産できない「パーム油」は、食品から生活必需品まで様々な商品の原材料に使用されています。
まぁまぁに有名なこの話をなぜ「6」の解説で書いているかというと「衛生問題」という部分で密接に関わっているからです。
パーム油は世界で一番多く使われている植物油でパンや、ポテトチップスなどの加工食品をはじめ食器・洗濯・掃除用の洗剤やシャンプーや石けんの主成分ともされています。
また近年、国内ではバイオマス燃料としてパーム油を利用する事例も増えています。
パーム油の汎用性の高さがこれだけ利用されている理由のひとつでもありますが、苗を植えれば、年間を通して収穫できる時期が約20年以上続く程、生産効率が高く、その収量が桁外れに多く低価格であることも要因であるとされています。
もしも、途上国をはじめとする安全な水とトイレへのアクセスが容易ではない地域の状況を改善し、新型コロナウィルス等の感染症予防の観点から石鹼を寄与するという行為があったとしたら、そこにはどんな問題があるのでしょうか。
パーム油の生産が地球に与える7つの影響
1)熱帯林への影響
2)泥炭地への影響
3)森林・泥炭火災への影響
4)野生動物への影響
5)人への影響
6)生産者が抱える問題
7)パーム油を使わないことで生じる問題
日本では人口減少が課題とされていますが、世界を見れば人口増加が叫ばれていて、今後ますますパーム油の消費量は上がっていくことが予想されています。
生産効率が高く収穫量が多いのであれば、そんなに生産しなくてもいいのではないかと思われるかもしれませんが、それだけ需要があるから、これだけ多くの生産がなされているわけです。
ただ、それによって熱帯林が伐採されてしまったり、それによって動物やその地域に住んでいた人がその場所に住めなくなってしまったりということも起こっています。
じゃぁ、パーム油を使うのを止めよう!というごもっともな意見もあるでしょうが
今消費しているパーム油を他の油に置き換えるともっと現在のパーム農園よりさらに広い土地が必要となり森林破壊につながってしまうことになるのです。また、そのことによって仕事を失う人が出たり、現在の場所で生活が出来ない人が出てくるということも大いにおきます。
環境を整えようとすると、それによって人々の生活が変わってしまう等
片方を良くすれば、もう片方が悪くなる…
パーム油の問題もそうですが、SDGsのそれぞれのテーマが複雑に絡み合っていて、全てを同時に同水準にしなければならない理由はここにあるのです。